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この記事でわかること
- 初心者サッカーコーチでも効果的なトレーニングができるようになる指導案の書き方
- 練習を終えた後ですべきこと
この記事では上記の疑問を解決していきます。
「良いトレーニングをおこなうには良い準備が必要」というのは言うまでもありませんが、サッカー指導においても指導案を作成してトレーニングに臨むことで、より効果的な練習ができるようになります。
初心者コーチの方には指導案を作成することがとても難しく感じられるかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば次第に短時間で質の高い指導案が書けるようになりますので安心してください。
もくじ
指導案の書き方のポイント
1.見やすく・分かりやすく書く
指導案は、チームで共有したり選手に見せるケースがあったりしたとしても、基本的に指導者自身が見るものです。
しかし、指導案の作成に慣れていないうちは、誰が見ても見やすく分かりやすく書くことを大切にしましょう。
初めて見る人や子どもが見てもわかる(漢字が読めない・言葉の意味が分からないなどは別にして)くらい丁寧に作成すれば、後で見返して練習メニューをアレンジしたり選手の成長を確認したりする際にとても役立ちます。
曲がった線ばかりの図を手書きで描いたり小さなメモ用紙に米粒のようなサイズの字を書いたりしていては、作成した指導案をいつの間にか失くしてしまったり、読み返した時に練習の内容が分からなくなったりしてしまいますので注意しましょう。
指導案を作成する際は可能であればPCを使用しA4用紙1ページにまとめるようにしますが、必要であれば指導案の裏面に何かしらのメモを書くくらいは問題ないでしょう。
※毎回1から指導案を作成するのはとても大変なので、エクセルやPDFなどでフォーマットを作成しておくと便利です。
もしどうしてもPCではなく手書きで作成するのであれば、直線は定規を使って引く・文字は十分な大きさで丁寧に書くなど、見やすさに問題がないかより注意しましょう。
ライセンス取得の講習会から普段の練習、体育の授業から自主練習まで、どのような指導対象であってもこの点は変わりません。
2.トレーニングのテーマとキーファクターを設定・記載する
トレーニングをおこなう際には、毎回テーマとキーファクターを設定する必要があります。
「テーマ」とは、「その日のトレーニングで何を改善したいのか」を示すものです。
例えば、もっと自分たちでボールを保持する時間を増やしたいから「ポゼッション」をテーマとするといった具合です。
「今日はドリブルの練習をしよう」「今日はパスの練習をしよう」というのでなく、どのようなシーンを想定して何を改善するためにドリブルやパスを改善する必要があるのかということを考えてテーマとして設定する必要があります。
「キーファクター」とは、「テーマとした課題を改善するために具体的に何ができるようになれば良いか」を示すものです。
例えば、テーマを「ポゼッション」としたとしても、ボールコントロールがうまくいかずにパスがつながらないのと、ボールを受ける場所が良くないためにパスがつながらないのでは、必要なトレーニングは全く違ってきます。
自分の指導するチーム状況やレベルなども考慮して適切なテーマとキーファクターを設定し、それを指導案にも記載しましょう。
3.練習の流れを考えて練習メニューを組む
練習の流れは大きく分けて2つのパターンが考えられます。
パターン1
step
1ウォームアップ
step
2トレーニング1
step
3トレーニング2
step
4ゲーム
step
5クールダウン
チームとして活動している場合はこの流れで練習をおこなうことがほとんどでしょう。
頭や体への負荷が軽めのメニューから始めて徐々に負荷の高い試合の状況に近づけたトレーニングにしていき、最後はゲームで締めるというスタンダードな流れです。
パターン2
step
1ウォームアップ
step
2マッチ(=ゲーム)
step
3トレーニング1
step
4トレーニング2
step
5マッチ(=ゲーム)
step
6クールダウン
まず最初にゲーム形式から入り、ゲームでの課題を改善するためのトレーニングを挟んだのちゲーム形式で締めるという流れです。
この流れでおこなうトレーニング方法は、「マッチ(Match)-トレーニング(Training)-マッチ(Match)」の各頭文字をとって「M-T-M(エム・ティー・エム)」や「M-T-M方式」などとよばれます。
「M-T-M」は、「前回のゲームで課題が出る→次の試合に向けてトレーニングで改善→次の試合に臨む」という、より長期的視野に立ってのアプローチ方法のことも指しますが、細かいルールを設けた練習が難しい小学校低学年を指導する際などには1日の練習をM-T-Mでおこなうこともとても有効だったりします。
4.各トレーニングの内容を記載する
各トレーニングにおいて、以下の内容を記載しましょう。
・氏名
・実施日時
・トレーニングテーマ
・キーファクター
・オーガナイズ(選手や用具の配置・使用する広さなど)
・トレーニングのルール(得点方法・プレーの再開方法・タッチ数制限などの特記事項)
・トレーニング時間
・必要な用具
・参加人数(グループ分けが必要であれば各グループの人数も)
・その他注意事項(練習が簡単すぎたり難しすぎたりした場合の調整方法など)
上記以外の項目であっても必要であれば記載してかまいませんが、その場合は指導案が見づらくならないように気を付けましょう。
指導に慣れてきたら次第に簡略化していける部分もあると思いますが、まずは面倒くさがらずに各項目をすべて埋めていきましょう。
番外:トレーニングは指導案を見ながらおこなうべきか?見ずにおこなうべきか?
「トレーニングは指導案を見ながらおこなうべきか?見ずにおこなうべきか?」
これはそれぞれにメリットとデメリットがあるため、指導者にとっては悩ましいところです。
私はサッカーの指導法を学んだ先生に、「指導案を見ながらトレーニングをしていると自信がなさそうに見えるからやめた方がいい」と言われたため、早いうちから指導案を見ずにトレーニングをおこなうようになりました。
現在は指導案を見なくともまったく問題ありませんが、指導を始めた当初はトレーニング中に「次は何をやるんだっけ?」「この練習では何を意識してもらうんだっけ?」となったこともありました。
指導案を見ながらトレーニングをおこなうメリットはまさにその部分で、計画に沿って伝え忘れなどなく進めることができます。
理想は、トレーニング中に指導案を見る必要がないほど練習内容を事前に頭に入れておくことでしょう。
しかしそんな時間をとれない指導者や初心者コーチの方はそうもいかないと思います。
ですので、なるべく指導案を見ずに練習を進め、困ったときはポケットに入れた指導案をこっそり見るようにしてはいかがでしょうか。
そうするうちに指導案を見ずにトレーニングが進められるようになっていくはずです。
※夏場はポケットに入れた指導案が自分の汗でグチャグチャになってしまっていたりするので注意しましょう。
練習後に確認すべきこと
1日の練習が終了すれば、指導者はいったん緊張から解放されることになります。
まだ指導に慣れていないというコーチであるほどその気持ちは強いと思いますが、練習後にもおこなうべきことが指導者にはあります。
それは、「うまくできたこと・できなかったことを確認し、できた理由・できなかった理由を考えて次に活かせるようにする」ということです。
反省するときにできなかった理由を考えることは良くありますが、できた理由を考えることも大変重要です。
指導者となって間もないうちは、指導案の通り・事前に計画していた通りに物事が進むなどということの方が珍しいくらいでしょう。
うまくいかなかったからといって必要以上に悩むことなく、また、うまくいったからといって有頂天になることなく、「どうやったら次回の練習がより良くなるか」に意識を向けましょう。
また、どのようなレベル・カテゴリーを指導していたとしても、大事なのは「用意した指導案の通りにトレーニングができたかどうか」でなく、「選手が成長できたかどうか」です。
そのため、必要と判断すればその場で練習メニューを変更することも当然あり得ますが、慣れないうちは練習メニューを変更することにより本来のテーマやキーファクターから遠ざかってしまう危険性もありますので、その点は注意しましょう。
まとめ
この記事のまとめ
指導案の書き方のポイント:
- 見やすく・分かりやすく書く
- トレーニングのテーマとキーファクターを設定・記載する
- 練習の流れを考えて練習メニューを組む
- 各トレーニングの内容を記載する
練習後に確認すべきこと:
指導がうまくできた理由・できなかった理由を考えて次に活かす
最後までお読みいただきありがとうございます。
先日、以前私が教育実習においてサッカークラブを指導するために作成した指導案を見つけたのですが、とてもひどい内容でした。
その時指導した子どもたちには申し訳ない気持ちでいっぱいですが、一方で当時とは比べ物にならないほど指導者として成長したことも実感しました。
指導者も選手と同じくトライ&エラーで成長していくものなので、思い描いていたトレーニングにならなかったとしても次に改善すればよいのです。
今回の記事を参考に、ぜひ徐々にレベルを上げていってください!
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