この記事でわかること
- 「トレーニングの3原理・5原則」とは何か
- 「トレーニングの3原理・5原則」をサッカーのトレーニングで活かす方法
この記事では上記の疑問を解決していきます。
私は通っていた専門学校の授業で「トレーニングの3原理・5原則」を学んだのですが、筋トレだけでなくサッカーにも取り入れることで良い効果が出ることを実感してきました。
「原理・原則」というと難しそうに感じるかもしれませんがそのようなことは全くなく、サッカー未経験のコーチでも簡単に取り入れられますので、ぜひ参考にしてください。
もくじ
「トレーニングの3原理・5原則」とは何か?
トレーニングによる効果を得るためには「原理・原則」を知っておかなければなりません。
この記事で紹介する「トレーニングの3原理・5原則」を頭に入れた練習メニューを立てることは、効果的な育成をおこなうために必須となります。
トレーニングの3原理
・過負荷の原理
・可逆性の原理
・特異性の原理
「トレーニングの3原理」は、能力向上のために欠かせない条件です。
「原理」というと難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば、「トレーニングをするにあたってこれができていないと効果が出ないよ」ということです。
トレーニングの5原則
・全面性の原則
・漸進性の原則
・反復性の原則
・個別性の原則
・意識性の原則
「原理」が絶対に外せないものであるのに対して、「原則」は「コツ」にあたるものです。
「原理」にのっとってトレーニングするだけでも何もしないよりは効果はありますが、「原則」を意識・活用することでよりトレーニング効果を高めることができます。
「トレーニングの3原理・5原則」の詳細およびサッカーのトレーニングで活かす方法
トレーニングの3原理
過負荷の原理(オーバーロードの原理)
普段の生活で感じる以上の負荷を受けなければ、トレーニング効果は得られません。
サッカー指導において選手たちがうまくプレーできていると嬉しくなってしまうコーチもいるかもしれませんが、その練習で選手たちは過負荷を受けているのでしょうか?
「できること」でなく「できないこと」をトレーニングすべきです。
トレーニングメニューを工夫して、技術的・身体的・精神的な負荷を調整しましょう。
可逆性の原理
トレーニングをおこなうことによって獲得した能力も、一定期間トレーニングをやめてしまえば元に戻ってしまいます。
「新たに何かができるようになる頃には以前できたことができなくなっている」ということを繰り返す事態にならないように気を付けましょう。
別のテーマのトレーニングに移行した後でも一度獲得した能力を維持するために、
「前回までの練習でできるようになったサイド攻撃を止めるトレーニングをすることで、今回のテーマであるディフェンスの改善をしよう」
などとするのも効果的です。
特異性の原理
腕の筋力を上げたいのにスクワットをしても意味がないように、トレーニングの効果を上げるためには目的に合ったトレーニングをおこなう必要があります。
サッカーでもなんとなく練習メニューを組んでしまうと、ボールコントロールの練習だったはずが体力向上のための練習になってしまったり、試合でシュートを決めるための練習のはずがいつもフリーでシュートを打てる練習になってしまったりします。
「サッカーはサッカーをすることで上手くなる」といいますが、本当に「サッカーの練習」になっているのか常に自問しましょう。
トレーニングの5原則
全面性の原則
トレーニングをおこなうにあたり、様々な要素をバランスよくトレーニングできているかを常にチェックする必要があります。
筋力トレーニングの場合は全身の部位を偏りなくトレーニングする必要がありますが、サッカーの練習においても攻撃ばかり・守備ばかりになったり同じテーマばかり長期間トレーニングすることになったりしないよう気を付ける必要があります。
漸進性(ぜんしんせい)の原則
筋トレを続けることにより筋力がついたら、以前は重く感じていたトレーニング器具もだんだん軽く感じるようになってきます。
そのような状態で同じようにトレーニングをおこなっても筋肉に適切な刺激は与えられないため、筋力の向上に合わせて器具の重量を上げていく必要があります。
サッカーの練習も同様で、できるようになったことをトレーニングしてもプレーの改善ははかれません。
更に上のレベルに到達するためには、トレーニング時の身体的・精神的な負荷を徐々に上げていくことが不可欠となります。
反復性の原則
どれだけ質の高いトレーニングをおこなったとしても、繰り返しおこなわないことには成果は望めません。
サッカーの練習においても、負荷が十分でない質の低いトレーニングを繰り返しおこなっていては意味がありませんが、質とともにプレーの機会や反復回数も十分に与えられるトレーニングになるよう工夫する必要があります。
個別性の原則
筋力が違えば適切なダンベルの重さが変わってくるのと同様に、サッカーの練習においても選手・チームのレベルや課題によっておこなうべきトレーニングは全く違ってきます。
レベルや課題以外に年齢・性別・性格なども考慮して各選手への負荷を適切に調整できれば、より効果的な練習にすることができるでしょう。
意識性の原則
筋力トレーニングにおいては、そのトレーニングをすることでどのような能力が向上するのか・どこの筋肉を鍛えているのかといったことを意識することで効果が現れやすくなります。
これはサッカーの練習においても同様で、何のためにこのトレーニングメニューをおこなっているのか・試合のどのような場面を想定しているのか・これができるようになると試合でどう役立つのかといったことを意識するのとしないのでは、表面上同じ練習をしているように見えてもその効果は全く違ってきます。
指導者のコーチングによって練習のポイントを選手に意識してもらえるようにできますし、それを続けることによって選手たちが自然とポイントを意識できるようになれば、さらなる練習効果が期待できます。
まとめ
この記事のまとめ
- トレーニングの3原理・・・トレーニングをするにあたり、これができていないと効果が出ないもの
・過負荷の原理(オーバーロードの原理)・・・普段の生活で感じる以上の負荷を受けなければトレーニング効果は得られない
・可逆性の原理・・・トレーニングをおこなうことによって獲得した能力も一定期間トレーニングをやめてしまえば元に戻ってしまう
・特異性の原理・・・トレーニングの効果を上げるためには目的に合ったトレーニングをおこなう必要がある
- トレーニングの5原則・・・「原理」が絶対に外せないものであるのに対して、「原則」はより効果を上げるために必要な「コツ」にあたるもの
・全面性の原則・・・様々な要素をバランスよくトレーニングする必要がある
・漸進性の原則・・・トレーニング時の身体的・精神的な負荷を徐々に上げていく必要がある
・反復性の原則・・・繰り返しおこなう必要がある
・個別性の原則・・・レベル・年齢・性別・性格などを考慮して各選手への負荷を適切に調整する必要がある
・意識性の原則・・・そのトレーニングをすることでどのような能力が向上するのかを意識する必要がある
- 「トレーニングの3原理・5原則」をサッカーのトレーニングに活用することで練習の質を高めることができるが、そのためにはそれぞれの原理・原則を理解し、活用の方法を知る必要がある。
最後までお読みいただきありがとうございます。
トレーニングの効果を出すために必要な原理・原則は、筋トレにしろサッカーの練習にしろ共通している部分があります。
難しそうに思える原理・原則を1つずつ見ていくと、意外と簡単で当たり前のことを言っているのが分かります。
しかし一方で、意外と頭から抜けていた要素があったことに気付いた人も多いのではないでしょうか。
普段の練習において「トレーニングの3原理・5原則」が考慮されているかどうかをあらためてチェックして、ぜひトレーニングの質の向上に役立ててください。
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