この記事でわかること
- 体育の先生が授業でサッカーをおこなうときの指導案の書き方
- より良い授業にするために授業前後にできること
この記事では上記の疑問を解決していきます。
質の高い指導案を作成するのは本職のサッカーコーチであっても難しいことですが、毎日多様な業務に追われる体育教師にとってはなおさらです。
しかし、この記事を読んでポイントをつかむことで、限られた時間で簡単に質の高い指導案が作れるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
保健体育の先生が学校の授業でサッカーをおこなうときの指導案の書き方のポイント
保健体育の先生も、授業のためにサッカーの指導案が必要になる場合があるでしょう。
スポーツ万能な先生であっても、いざ専門外の種目を指導するとなると勝手が分からなくて当然です。
そんな時はネットや本に載っている練習メニューを参考にすることが多いと思いますが、サッカークラブのチーム練習と授業では様々な違いがあるため、そこに気を付けてやり方を変える必要があります。
チームの練習と授業との違いやその対策方法についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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1.短い練習時間で何ができるかを考える
サッカークラブのチーム練習は90分を基本としますが、学校の授業の場合はそうはいきません。
大学は1コマ90分の場合が多いためあまり問題ないかもしれませんが、小学校や中学校、高校の授業ではウォームアップとクールダウンを含め45~50分程度しか時間をとれません。
ウォームアップ→トレーニング1→トレーニング2→ゲーム(→クールダウン)という全工程をおこなうのは難しく、トレーニング2を省いて不完全な形でおこなうのが現実的な対応となりそうです。
そのため、授業においては、ウォームアップをおこなってからM-T-M(マッチ-トレーニング-マッチ)の流れで各工程を15~20分ずつおこなうことの方がより適切なように感じます。
2.プレーヤーのレベル差が大きいことを考慮する
チーム内でも選手のレベル差はありますが、授業でのレベル差はその比ではありません。
小さい頃からずっとサッカーをやってきている子と、体育や運動が大の苦手という子が一緒にプレーするわけですから。
そうした場合には、サッカー部員にはルール制限(タッチ数や使う足など)や役割(フリーマンにしたりパサーに徹してもらったり)を設けることでバランスを取ることができます。
運動が得意な子同士・苦手な子同士でゲームやトレーニングをしてもらうのもバランスを取るための案の一つですが、学校体育においては競技レベルにかかわらず全員が楽しみながら心身をはぐくむことが求められるため、避けた方が良いのではないかと考えます。
とはいえ絶対にやめた方が良いというわけではなく、先生がいくら注意しても勝敗にこだわる雰囲気が生徒たちの中にあり、ミスした生徒がいたたまれなくなってしまうようなことがあれば、運動が得意な子同士・苦手な子同士でやってもらうことも検討しなければなりません。
3.生徒の評価を付ける際の基準を設定する
サッカーチームにおいても指導者は選手の評価をおこないますが、それらは数値化されないことが一般的で、出場機会の長短などで選手自身が感じ取ることがほとんどです。
一方、学校の先生は、通知表という目に見えるものに評価を記載しなければなりません。
「全員頑張ったから全員体育の成績は5だ」というわけにはいかないため判断基準を何かしら設定しなければならないのですが、体育のサッカーでは目に見える数字がゴールとアシストくらいなので、そこを基準とするとほとんどの生徒が0点になってしまいます。
そう考えたとき、M-T-M(マッチ-トレーニング-マッチ)のやり方がとてもやりやすいことに気付きます。
その理由は、ゲーム形式の間に挟むトレーニングでおこなう内容を評価基準とする方法がとれるためです。
(例:シュートを正確に蹴れるか・パスを正確に受けられるか・広い場所でパスを受けられるか・ドリブルで相手を抜けるかなど)
それにより先生は全生徒のプレーを一定の基準を設けてチェックできますし、生徒も何ができるようになれば良い成績がつくのか分かります。
4.キーファクターを多く設定しすぎないようにする
一般的なサッカーチームと同様、授業においてもテーマとキーファクターを設定することで、先生と生徒の双方にとって練習内容と評価基準が分かりやすくなります。
しかし、キーファクターを多く設定し過ぎると採点基準が不明瞭になってしまうため注意が必要です。
トレーニング内容も複雑になりすぎてしまう危険性がありますので、キーファクターの数は1週間につき1~2個に抑えましょう。
より良い授業にするために授業前後にできること
本を読んだりネットで練習メニューの記事や動画を見たりして勉強することができれば理想的ですが、多忙な教員にそのような時間はありません。
あまり詳しくない競技について勉強して知識を増やそうとする姿勢は大変素晴らしいですが、それによってより大事な業務に費やす時間や体力が削られてしまうようなことがあってはなりません。
ここは少し肩の力を抜いて、サッカー部のコーチやサッカー経験者の先生の力を借りてみましょう。
授業までまだ日数があるうちに自分が考えている大まかな流れを相談すれば、事前により良い指導案に修正することが可能です。
また、授業後にはどのような問題が発生したか伝えれば、次の授業に向けての改善点も見えてくるはずです。
責任感の強い先生の場合、「自分の担当教科だからすべて自分の力でやらなければならない」と考えてしまうかもしれませんが、大事なのは「どうしたらより生徒が成長できるか」です。
生徒が楽しく怪我なく授業を受けられるようにするため、その分野により詳しい人にアドバイスを求めるのは決して悪いことでも恥ずかしいことでもありません。
前述の4つのポイントを踏まえて指導案を作成するだけでも授業の質は十分高まると思いますが、もし難しく感じるようであれば必ずしも最初から最後まですべて自分の力だけで指導案を作成する必要はありません。
そうするのは知識やノウハウがある程度蓄積されてからで十分です。
まとめ
この記事のまとめ
- 体育の先生が授業でサッカーをおこなうときの指導案の書き方:
・短い練習時間で何ができるかを考える
・プレーヤーのレベル差が大きいことを考慮する
・生徒の評価を付ける際の基準を設定する
・キーファクターを多く設定しすぎないようにする
- より良い授業にするために授業前後にできること:
サッカー部のコーチやサッカー経験者の先生に相談すること
最後までお読みいただきありがとうございます。
授業でおこなうサッカーは部活やクラブチームでおこなうそれとは異なる部分が多々あり、指導において特有の難しさがあります。
現在私は中学生のサッカー指導を本業としながら学校体育の授業のお手伝いもさせていただいておりますが、サッカーの授業の時期には体育の先生から色々と相談を受けました。
それは全く迷惑なことではなく、むしろ自分を必要としてくれることへのありがたさを感じさせるものです。
私の方からもその他の競技について様々な質問をさせていただきましたし、結果としてお互いの練習メニューや知識が増え、先生と「Win-Win」の関係を築くことができています。
今回の記事を参考にしながら、「自分でできそうなことにはチャレンジしつつ、頼るべき時は頼る」というスタンスで臨んでいただき、ぜひ徐々にレベルを上げていってください!
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