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【保存版】サッカーのビルドアップトレーニング:攻撃を強化する練習の鍵【10+24個の戦術キーファクターを全公開】

この記事でわかること

  • ビルドアップを改善したい場合、どんな要素をトレーニングすればよいのだろうか?
TETSUYA

この記事では上記の疑問を解決していきます。

無駄にボールを失うことなく保持するだけでも大変なのに、それに加えてボールを前に運ぶともなればさらに難易度は上がります。

そうと分かっていても、初心者コーチの方であれば「その解決のためにはどんな要素をトレーニングすればよいのだろうか?」と悩んでしまうこともあるでしょう。

そんな方のために、この記事では厳選した10+24個のキーファクター(=テーマとしたプレーを改善させるための要因)をすべてご紹介いたしますので、ぜひ今後の指導に役立ててください!

もくじ

 

「ビルドアップのキーファクター」のダウンロード(Excel・PDF)

ビルドアップのキーファクター

 

サッカーの練習における「キーファクター」とは?

「キーファクター」とは、「テーマとした課題を改善するために具体的に何ができるようになれば良いか」を示すものです。

例えば、練習のテーマを「ポゼッション」としたとしても、ボールコントロールがうまくいかずにパスがつながらないのと、ボールを受ける場所が良くないためにパスがつながらないのでは、必要なトレーニングは全く違ってきます。

この知識を前提として話を進めますので、もし「イマイチ理解できない」「この点についてもっと頭を整理してから読み進めたい」という方は以下の記事に目を通していただければと思います。

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「戦術キーファクター」と「ボールフィーリング・クローズドスキルのキーファクター」の違い

キーファクターは、「戦術キーファクター」「ボールフィーリング・クローズドスキルのキーファクター」の2種類に分けられ、この記事では「戦術キーファクター」についてご紹介します。

「戦術キーファクター」のトレーニングは基本的に相手がいる状態でおこなわれ、「今どのような状況にあるのか」「その状況下ではどのようなプレーを選択すべきなのか」ということを認知・判断できるようになることを目指します。

一方、「ボールフィーリング・クローズドスキルのキーファクター」のトレーニングでは、狙い通りにボールや身体を操作できるようになることを目指します。

基本的にはそれぞれを分けてトレーニングすることはなく、戦術キーファクターを意識したトレーニングメニューをおこないつつ、ボールフィーリング・クローズドスキルのキーファクターについても同じトレーニングの中で改善させていくことが望ましいです。

その方が実際の試合でどのようなプレーが必要になるのかがより明確になるからです。

例えば「パスの質」というキーファクター1つをとっても、相手がいなければどんなゆっくりしたボールでも味方に届いてしまうので、改善の必要があるプレーであることに気づきにくいでしょう。
そこで「もっと速いボールを蹴ろう」と促しても、どのくらいのスピードが必要なのかをイメージさせるのは難しいのです。
ただし、チーム全体の技術面の能力が足りずトレーニングが成り立たない場合や、サッカー初心者で相手がいない状態でもボールコントロールがままならない場合などには、別個にボールフィーリング・クローズドスキルの向上に特化した時間を設けてあげるのもよいでしょう。

 

「ポゼッション」と「ビルドアップ」:両トレーニングの目的・定義づけ

チーム全体がボールを失わずにプレーできるようにすることに焦点を当てているトレーニングテーマには、「ビルドアップ」の他に「ポゼッション」というものがあります。

この2つのトレーニングテーマは、「ゴールを常に目指しつつも、得点の可能性が低い場合はより得点の可能性を高めるためのプレーや失点の可能性を下げるためのプレーを選択できるようにする」という目的が共通しています。

 

しかし、人によってこの両者の定義づけや解釈は異なることが少なくないため、指導者同士で話をしていてもうまくかみ合わないということもあったりします。

そうしたことを避けるため、このブログでは「ポゼッション」と「ビルドアップ」をそれぞれ以下のように定義づけています。

ポゼッション:攻撃方向がない中で、ボールを失わずに保持しながらプレーすること。ビルドアップの前段階。

ビルドアップ:ボールを失わずに保持しながらプレーすることを狙いとするのはポゼッションと同じだが、攻撃方向がある中でボール保持を目的とするのでなくゴールを奪うため・失点しないための手段となるように保持・前進すること。

 

キーファクターの紹介

ここからキーファクターをご紹介していきます。

ここでのグループ分けは、類似したキーファクターや1つのトレーニングで一緒に出てきやすいものを同じグループにまとめてあります。
ただしそれはあくまで1つの案であり、他のキーファクターをトレーニングした際にも同様に一緒に出てくるものがあるので、グルーピングは指導対象のレベルや年齢などに合わせる形で適宜変更してかまいません。
場合によっては、「このキーファクターには上の学年になってから取り組もう」とした方がよいということもあるでしょう。

また、何個のキーファクターを1つのグループとして扱うのか、グループの数をいくつにするのかについても選手の習得の速さによって調整することが望ましいです。

どのキーファクターから習得させるかについてもご紹介した順番通りでなくて構いませんが、簡単なもの・理解しやすいものから始めて徐々に難易度を上げていくという点は変えるべきではありません。

 

グループ⓪

No.01:「ポゼッション」のキーファクターを習得しておく

定義づけのところでも触れましたが、ポゼッションとビルドアップには共通する部分があります。

ビルドアップができるようになるためには、ポゼッションのキーファクターの習得が不可欠です。

この記事のタイトルを「10+24個の戦術キーファクター」としているのは、10個のビルドアップに必要な戦術キーファクターに加え、24個のポゼッションキーファクターが必要になるためです。

 

ポゼッションのキーファクターは以下の記事にてご紹介しておりますので、ぜひご一読ください。

【保存版】サッカーのポゼッショントレーニング:攻撃を強化する練習の鍵【24個の戦術キーファクターを全公開】

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No.02:守備の三原則

「ビルドアップのトレーニングなのにディフェンスのキーファクター?」と思われた方もいらっしゃると思います。

たしかに「いかにボールを失わずに攻撃できるか」というテーマと相反するキーファクターに感じますが、まったくディフェンスができない相手に対しボールを繋ぐことができたとしても意味がありません。

ここはディフェンスについてじっくりトレーニングするタイミングではありませんが、最低限の知識・能力は持ってもらいたいものです。

「守備の三原則」は以下の通りです。

①ボールとゴールの中心(またはマークする相手)を結んだ線上に立つ。
②ボールとマークする相手を同一視野に入れる。
③相手にプレッシャーをかけつつ突破されない距離をとる。

 

グループ①

No.1:攻撃の優先順位

①ゴール(シュート)

②ラストパス

③ラストパスを出せる選手へのパス

④前方(中央→サイド)

⑤横(中央→サイド)

⑥後方(中央→サイド)

⑦クリア

の順に選択する。
相手の得点チャンスに直結するボールの失い方は必ず避ける。
プレーエリアやプレー状況によっては、フリーかどうか・前を向いているかどうかなど、受け手のポジショニングの高さよりも状況を優先させる。
直線的にゴールに向かえない場合は迂回する。

 

No.2:プレーエリアや状況によって意識を変える

確実にボールをつなぐのか、相手ボールにしてでもプレーを切るのか、リスクをかけてでも前に運ぼうとするのか、プレーエリアや状況によって意識を変える。

 

グループ②

No.3:幅と厚みを持つ

確実なポゼッションのためにかかわる選手だけでなく、相手のバランスを崩す・パスが通ればビッグチャンスという狙いを持ったポジショニングを取る選手もいるようにする。
ボール保持(やり直し)と前進がどちらもできるバランス・ポジショニングを意識しつつ、最終ライン・中盤・前線の3つのラインがいずれも重ならないようにする。
ボール保持者が最前線や最後尾にならないようにする。

 

No.4:横パスの危険性を認識する

前・横・後ろそれぞれへのパスがカットされた場合、横パスが最も危険であることを理解する。

 

No.5:緩急をつける(スイッチを入れる)

前の選手にボールを入れる際やサイドチェンジをする際にパススピードを上げたり、中盤の選手がフリーで前を向けた時にスプリントをかけてボール保持者を追い越すなど、攻撃のスピードの変化をつける。
確実にボールを保持したい場合はボール保持者のスピードを意識的に落とす。

 

No.6:「質的優位」のポジションを意識する

ゴールを意識するとともに、誰に(どこに)ボールを入れたらチャンスになる可能性が高いかも頭に入れる。

 

グループ③

No.7:5レーン理論

①1列前の選手が同じレーンに並ぶのは禁止。
②2列前の選手は同じレーンでなくてはならない。
③1列前の選手は適切な距離感を保つために隣のレーンに位置することが望ましい。
※同レーン同士の前方へのパスは受け手に前を向かせるのが難しいことを理解しておく。
※「5レーン理論」を理解していればよく、必ずしもその通りのプレーをする必要はない。

 

No.8:簡易5レーン理論

ボール保持者に対して斜め前と斜め後ろに同列にサポートを作り、前進・やり直しのどちらもできるようにする。

 

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グループ④

No.9:切り替え・カウンター(守→攻:ポジティブトランジション)

守備時にボールを奪った時のこと(自分がボールを奪った瞬間どこを攻めるか・味方がボールを奪った瞬間どこに動くか・速攻か遅攻かクリアか)を考えておく。
※レベルによっては疑似カウンター(マイボール状態から相手を引き込んでの速攻)もトレーニングする。

 

グループ⑤

No.10:セットプレー

これをキーファクターと呼ぶのは少し違う気がするのですが、以下のセットプレーはこれまでに習得してきたポゼッションやビルドアップのキーファクターを活用することで改善できる部分がとても大きいため、復習や確認の意味でも取り組む価値があります。

①スローイン
②ゴールキック
③フリーキック(遠距離)
④クイックリスタート
⑤キックオフ

 

まとめ

この記事のまとめ

ビルドアップのキーファクター一覧:

グループ⓪

No.01:「ポゼッション」のキーファクターを習得しておく

No.02:守備の三原則

グループ①

No.1:攻撃の優先順位

No.2:プレーエリアや状況によって意識を変える

グループ②

No.3:幅と厚みを持つ

No.4:横パスの危険性を認識する

No.5:緩急をつける(スイッチを入れる)

No.6:「質的優位」のポジションを意識する

グループ③

No.7:5レーン理論

No.8:簡易5レーン理論

グループ④

No.9:切り替え・カウンター(守→攻:ポジティブトランジション)

グループ⑤

No.10:セットプレー


最後までお読みいただきありがとうございます。

 

ポゼッションのトレーニングに時間を割いたのち、「マイボールの時間は増えたけど、シュートや得点はかえって減ってしまった」となってしまっては大変もったいないです。

相手のプレッシャーをかいくぐってチームでパスを繋ぎゴールを奪えるようになれば、選手たちにはそれまでとは異なる喜びが生まれることと思います。

携帯に便利なWord・PDFタイプのキーファクター一覧表もご用意しましたので、ぜひ自分たちが主導権を握れるチーム作りに役立ててください!

 

「ビルドアップのキーファクター」のダウンロード(Excel・PDF)

ビルドアップのキーファクター

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