この記事でわかること
- リフティングのコツ
- リフティングの上達法
- リフティングができるようになってきたら
この記事では上記の疑問を解決していきます。
私はサッカー未経験者なので、最初はリフティングが全くできませんでした。
「サッカー指導者にとってはリフティングよりコーチング能力の方が大事」というのは正しい考えですが、リフティングをはじめとしたボールタッチが上手にできるのとできないのでは、指導の際の子どもたちの食いつき方に差が出るのもまた事実です。
「このままではいかん」と二十歳を過ぎてから真剣にボールタッチの練習に取り組むうち、最高で25分リフティングが続くようになりました。
25分続けたときは途中で回数が分からなくなってしまったのですが、少なめに1秒1回のボールタッチと計算しても1500回はできていたことになります。
その後も練習を続け、今では苦手な左足だけを使っても最高で200回以上続くようになりました。
そうした体験をもとに、私が取り組んできた練習方法やリフティングのコツをご紹介していきます。
初心者コーチに向けた記事ですが、リフティングを上達させたい方であれば誰にでも役立つ内容となっておりますので、ぜひ参考にしてください。
リフティングのコツ
注意
リフティングをする際は、猫背になったりせずなるべく広い視野を持つことを意識しましょう。
悪い姿勢が習慣になると様々なプレーに悪影響を及ぼし、「リフティングがうまくなるにつれサッカーが下手になる」という、何のためにリフティングを頑張っているのかわからない状態に陥ってしまいます。
1.膝から下を動かす
リフティングがうまくできないという方の多くに共通するのが、脚を付け根から大きく動かしてしまうという点です。
長いものを振れば強い力が生まれますが、細かく動かすことには不向きです。
走るときに「なるべく速く腕を振って!」と言われたら、肘を伸ばしたまま振ることはせず必ず腕を折りたたむはずです。
膝から下だけを動かしてボールタッチすることを意識しましょう。
2.ボールが当たる面を真上に向ける
ボールを地面に落としたら真上に跳ね返ってきますよね。
それは、地面が平らだからです。
リフティングでも同様で、ボールが当たる面が真上に向いていないとボールが真上に跳ね返ってきません。
これは当たり前のことですがとても重要です。
体のどこの部位でリフティングをしようが変わることはありません。
リフティングが苦手な子でも腿でやってみると少しはできたりすることが多いのですが、それはボールが当たる面が平らかつ広く、真上に向けるのも容易だからです。
インステップキックでのリフティングを例にとっても、ボールが前に飛んでしまう場合はつま先が下向きに、自分の体に向かって飛んでしまう場合はつま先が上向きになっています。
自分の失敗傾向から、ボールが当たる面がどこを向いているのかを意識してみましょう。
なお、インサイドキックでリフティングをしようとしても股関節が堅いとボールが当たる面が真上に向かないため、そうした場合はストレッチが必要となるでしょう。
3.足首を固定する
本来は足首を柔らかく使うべきなのでしょうが、私の経験上、リフティングがうまくできない子は足首が固定できていないことがその原因になっていることが多いです。
初めは少し力を入れ過ぎなくらいからスタートして、慣れてきたらだんだんリラックスしていけばよいでしょう。
もし「足首を固定する」ということがイメージしづらければ、「すねに力を入れる」という意識の方がうまくいく場合もありますので、ぜひ試してみてください。
4.毎回同じポイントで蹴る
誰しもが必ず「自分が一番蹴りやすいボールの位置(ポイント)」を持っています。
毎回そのポイントで蹴れるよう意識するのがリフティングを続けるコツの1つです。
よく見られるミスの1つに、ボールが高く上がったらそれに合わせて足を高く挙げてしまうというものがあります。
ボールを追いかけることなく、蹴りやすい高さに落ちてきたタイミングで蹴るようにしましょう。
これは自分の体から少し離れたところにボールを蹴ってしまった時も同様で、足を伸ばすのではなく足を動かして体を運び、自分の蹴りやすい位置にボールを持ってこれるようにします。
5.腰~胸の高さのボールを蹴る
様々な高さのボールをコントロールすることにチャレンジするのは素晴らしいことですが、リフティングのコツをつかむことが目的となれば話は変わってきます。
蹴ったボールがあまり高く上がりすぎると次のコントロールが難しくなりますので、自分の腰~胸の高さにボールが上がるよう力の入れ方を調節しましょう。
リフティング上達法
ここからは、私が実際におこなってきたリフティング上達法をご紹介します。
各トレーニングは順番にやっても並行してやってもどちらでも大丈夫です。
小さいうちから様々な身体の部位を使うことは神経系の発達に有益なので、その点では並行してやった方が効果が期待できます。
しかし、たくさんのことにチャレンジすることによって難しく感じすぎてしまいやる気をそいでしまうようなら、できることや自分でやりたがることからやらせてあげて成功体験を積ませてあげた方がよいでしょう。
1.「真上に蹴ってキャッチ」を繰り返す
左右から挟むように両手で持ったボールを胸の高さから落とし、それを真上に蹴ってキャッチするということを繰り返します。
その際にはインステップキックを使用し、足の甲にボールを当てるようにします。
最初は1回蹴ってキャッチということからスタートし、毎回真上に蹴れるようになることを意識しましょう。
できてきたら、2回蹴ってキャッチ・3回蹴ってキャッチというように徐々に回数を増やしていきます。
2.インサイド・アウトサイドを使う
上記「1」でご紹介した「真上に蹴ってキャッチ」を、インステップキックでなくインサイドキックやアウトサイドキックでおこないます。
基本的なやり方は「1」と変わりませんが、アウトサイドキックでおこなうときは体の正面ではなく右胸・左胸のあたりからボールを落とすようにします。
3.ヘディング・胸トラップにチャレンジする
上に投げたボールをヘディングまたは胸トラップしてからキャッチします。
胸トラップでリフティングをするのは難しいですが、ヘディングであれば慣れてくれば連続でできるようになりますので、「真上に蹴ってキャッチ」と同じ要領でやってみましょう。
4.「ワンバウンドリフティング」を繰り返す
「真上に蹴ってキャッチ」の変形版とも言えるものです。
1回蹴ったボールをキャッチするのでなく地面に落とし、上に跳ね返ってきた後に再度蹴り上げることを続けます。
最初は1回蹴って地面に落として再び蹴り上げるということからスタートし、毎回真上に蹴れるようになることを意識しましょう。
できてきたら、地面にボールを落とす前に2回蹴る・3回蹴るというように徐々に回数を増やしていきます。
5.リフティングボールを使ってみる
普通のサッカーボールよりも小さいリフティングボールは、ボールをとらえる感覚をつかむのに効果的です。
また、リフティングボールを使う練習は自宅の室内でもできますので出かける手間も必要なく、ちょっとしたスキマ時間も有効活用できるようになります。
広いグラウンドでチームメイトと一緒に練習できる日に一人でリフティングをやっているのももったいないので、リフティングボールを活用して練習内容に幅を持たせましょう。
練習内容は特別なことをする必要はなく、使用するボールをリフティングボールに変えて上記「1」~「4」をおこなうと良いでしょう。
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リフティングができるようになってきたら
1.身長より高いボールでやってみる
毎回自分の身長を超えるような高いボールを蹴ってリフティングしてみましょう。
リフティングを上達させることの狙いは試合で使えるボールコントロール技術の向上ですので、実際の試合で起こるような扱いづらいボールをコントロールする練習も入れていくようにします。
練習のバリエーションとして、高く蹴る→低く蹴る・高い→高い→低いの順番で蹴るなど様々なことを試していくと、マンネリ化することなく楽しみながらトレーニングを続けることができるでしょう。
2.いろいろなトラップをしてみる
右足・左足を両方使ってリフティングしてみたり、同じ足を使うにしてもインステップ・インサイド・アウトサイド・ヒールなど様々な部位を使ったりすることで新たな刺激になります。
2回連続で同じ場所でボールタッチしないというルールでやってみるのも面白いですし、リフティングを続けるのでなく高く上げたボールを様々な部位でコントロールして弾ませずに落ち着けたり意図的にワンタッチ目で大きく蹴りだしてスペースに運ぶというのも、試合で使える技術のトレーニングになります。
3.意識的にボールから視線を外してみる
リフティング中はどうしてもボールの動きに集中しがちですが、試合中に同じようなことをしてしまうと、状況が把握できず適切な判断ができなくなってしまいます。
リフティングの最中に意識的にボールから視線を外して周りを見るようにすれば、リフティングの練習が実践で役立つ場面も増えてくるでしょう。
最初は間接視野でボールを見るような感覚からスタートしてみてもいいですし、次第に「時計や文字を見ながら」「相手の目を見て会話しながら」などのより難しいことにチャレンジしていきましょう。
4.いろいろな技にチャレンジしてみる
コーチや友達がやっている技にチャレンジしてみたり、ネットで動画を探してみるのもレベルアップにつながります。
お互いに「これできる?」と自分ができるものを見せ合うのもいいですし、ちょっと難しそうな技を調べて「どっちが先にできるようになるか競争しよう!」というのも楽しいものです。
これはコーチ同士・子ども同士だけでなく指導者と選手の間柄でもできるものですので、様々なアイディアを出し合ってみてください。
5.試合中に活用できる技術が身についているかチェックする
上記「4」までできるようになってくれば、リフティングに対する苦手意識はなくなっているはずです。
ここまできたらあらためて「リフティングを上達させたい目的」に立ち返りましょう。
試合で必要となるのは、扱いやすいボールを自分の得意な場所でコントロールするという限定された技術ではなく、プレッシャーのかかった中で様々な高さや回転のボールを体のどの部位でも必ず1回目のボールタッチで狙い通りに扱える技術です。
リフティングは多少乱れてもその後の1~2タッチでリカバリーできますが、試合中はファーストタッチをミスしてしまえばそこで相手に奪われてしまいます。
そうした考えのもと、速いボールや高いボール、扱いづらい回転のボールなどを蹴ってもらって正確にコントロールする練習や、反対にそういったボールを狙って蹴る練習をしてみると、リフティングに取り組む前の自分と比べてどうなったかチェックすることができます。
もしうまくできるようであればレベルアップを実感できるでしょうし、リフティングはできるようになったのに練習や試合の中のプレーはおぼつかないというのであれば、もうリフティングにこだわることはせずにプレーの中で出た課題の克服のために力を注ぎましょう。
まとめ
この記事のまとめ
リフティングのコツ:
- 膝から下を動かす
- ボールが当たる面を真上に向ける
- 足首を固定する
- 毎回同じポイントで蹴る
- 腰~胸の高さのボールを蹴る
リフティング上達法:
- 「真上に蹴ってキャッチ」を繰り返す
- インサイド・アウトサイドを使う
- ヘディング・胸トラップにチャレンジする
- 「ワンバウンドリフティング」を繰り返す
- リフティングボールを使ってみる
リフティングができるようになってきたら:
- 身長より高いボールでやってみる
- いろいろなトラップをしてみる
- 意識的にボールから視線を外してみる
- いろいろな技にチャレンジしてみる
- 試合中に活用できる技術が身についているかチェックする真上に蹴ってキャッチ
最後までお読みいただきありがとうございます。
コツがつかめるようになるまでの間は、
「リフティングってなんて難しいんだ」
「なんでみんなはあんな簡単そうにできるんだろう」
と思うはずです。
しかし、本当に練習次第で誰でもできるようになります。
私の経験では、100回を超えるのが最も大変だった印象があります。
少しコツをつかめると、毎回50回は越えてきても70~80回あたりで落としてしまうということが続きました。
それでもあきらめることなく練習を重ねて何とか100回を超えることができればその先は案外早く、私の場合、初めて100回を超えた翌週あたりに200回を超えることができ、初めて200回を超えたらそのまま落とさず500回を超えることができました。
ぜひご自身のペースでチャレンジしていただき、少しずつできることを増やしていってください!
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