コラム

サッカー初心者でも両足キッカーになれる!逆足の練習方法7選

この記事でわかること

  • 両足キッカーになるための逆足の練習方法
  • 逆足での練習は何歳から始めればよいのか
  • そもそも逆足でも蹴れるようになる必要はあるのか
TETSUYA

苦手な方の足でも蹴れるようになるためにはどんな練習をすればいいですか?

 

サッカーに夢中になり始めた子どもやその保護者から、このような質問を受ける機会はとても多いです。

 

そんな時、「たくさん練習すれば蹴れるようになるよ!」というような答え方をしてしまうのか、それとも意識するポイントを正しく伝えられるのかによって、指導者に対する信頼度は大きく変わってきます。

 

私もサッカーのプレー経験がなかったため左足でのボールタッチがとても苦手でしたが、自分なりにいろいろな方法を試し続けた結果、左足だけでのリフティングも不格好ながら200回以上できるようになり、プレッシャーのない場面では左足でのプレーに対して苦手意識を持つこともなくなりました。

 

ぜひその練習方法を知って、選手たちの成長を手助けしてあげてください!

 

両足キッカーになるための逆足の練習方法7選

逆足の練習はチーム練習の中でもできないことはないですが、基本的に自主練習・個人練習の中でおこなうこととなります。

 

だからといってチーム練習後に何十本もボールを蹴らせたりすることは、育ち盛りの子どもに身体的・精神的に過度な負担がかかってしまうため好ましくありません。

 

ただでさえ苦手なプレーの改善に取り組むのは想像以上にストレスが溜まるものです。

 

そのため、手軽に楽しく継続でき、なおかつ効果が期待できるものを以下にまとめました。

 

逆足の練習方法7選

・タオルギャザー

・ビニール袋リフティング

・リフティングボールを使う

・スマホで撮影してもらって左右の違いを修正していく

・鏡で見て左右の違いを修正していく

・ゆっくりとキック動作をおこなう

・片足縛り

 

それでは1つずつ見ていきましょう。

 

タオルギャザー

「タオルギャザー」とは、床に敷いたタオルを裸足になった足の指を使って自分の方へ引き寄せる運動のことです。

 

足裏の筋力強化や偏平足の予防に効果があると言われているこの運動ですが、それ以外にも思った通りに力を入れる感覚や足の指先まで思ったように動かす感覚を養うことができます

 

タオル1枚あれば座りながらでもできる練習ですので、学校の宿題の合間におこなうことも可能でしょう。

 

ビニール袋リフティング

広いスペースがない状況で個人練習をするとなれば、リフティングは真っ先に思い浮かぶ練習です。

 

しかし、普通のサッカーボールを苦手な足でリフティングをすることは、「逆足初心者」にとって大変難しいことです。

 

その点ビニール袋でおこなうリフティングであればゆっくりと落ちてきますあっちこっちに飛んで行ったりしないので、逆足でのタッチの感覚をつかむにはもってこいです。

 

この練習も部屋の中でできるトレーニングですし、紙袋と違って細かなゴミクズが出にくい点でもおすすめです。

 

リフティングボールを使う

「ビニール袋リフティング」より少し難しくなりますが、とても効果的な方法です。

 

「リフティングボール」という、通常のサッカーボールより軽く小さく柔らかく作られたボールが市販されているので、そのボールをリフティングします。

 

おもちゃのボールのように感じるかもしれませんが蹴ったボールにはそれなりの威力がありますので、室内で練習する場合は周囲の物を壊さないよう注意しましょう。

 

やり方としては、「手で持ったボールを真上に蹴り、落ちてきたところを手でキャッチ(ボールを蹴り上げる高さは顔の高さ)」というやり方で良いでしょう。

 

蹴ったボールが左右にぶれることなく真上に飛ぶことが重要です。

 

それができるようになったら、2回蹴ってキャッチ、それもできるようになったら3回蹴ってキャッチと発展させることもできますし、蹴り方をインステップだけでなくインサイドやアウトサイドに変えてみるのも良い練習になります。

 

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スマホで撮影してもらって左右の違いを修正していく

もし家族や友達に頼めるようであれば、自分がキックやボールタッチをしている様子を動画に撮ってもらうと良いでしょう。

 

左右とも撮影してもらって見比べてみると、腕の使い方・上半身のかぶせ方・助走の距離・ボールに入る踏み込みの角度・最後の一歩の距離など、様々なポイントで違いがあることに気付くはずです。

 

それらの違いを意識して修正していけば、次第に逆足の精度が改善してくるはずです。

 

一つ注意しなければならないのは、利き足でもうまく蹴ることができないレベルの場合です。

 

その状態で左右とも同じ蹴り方を目指してしまうとどちらの足でもうまく蹴れないということになりかねませんので、別のお手本を探しましょう。

 

最も手軽かつ参考になるのは、ネット上で良い選手の動画を見つけることです。

 

名選手との違いを見つけて自分のフォームを修正していく作業は案外楽しかったりします。

 

鏡で左右の違いを修正していく

スマホで撮影してもらうのが難しければ、姿見など全身が映るような大きな鏡を使って左右の違いをチェックすることもできます

 

目的や原理はスマホを使う場合と同じなので、注意深く左右の違いを見つけて修正していきましょう。

 

ゆっくりとキック動作をおこなう

苦手な足でボールを蹴っても、利き足で蹴る場合と比べて距離やスピードは出ません。

 

そうなると、ムキになって全身を過剰に使ってボールを蹴ることも多くなり、かえって正しいフォームの習得を妨げてしまいます。

 

こうした時はあえてゆっくりとキック動作をおこなうことで、

 

「ボールに入っていく角度はどうしたらいい?」

 

「軸足の膝はどれくらい曲げる?」

 

「どのタイミングでどこに力を入れる?」

 

などのポイントを自分で確認することができます

 

もし正解がわからないポイントがあれば得意な方の足で蹴って確認してみましょう。

 

利き足であればゆっくりとしたフォームでも体のバランスを保ってストレスなくボールを蹴れるはずなので、これが逆足でもできるように練習していきましょう。

 

片足縛り

これは正直とてもストレスを感じる練習方法ですが、逆足でのプレーを向上させる効果はとても大きいです。

 

「片足縛り」といっても物理的に縛るのでなく、「すべてのボールタッチを逆足で行う」という縛り(=ルール)を自らに課すのです。

 

逆足が蹴れない原因のほとんどは、利き足と比べてボールタッチの回数が格段に劣ることです。

 

それによって生じた差を強引に埋めにかかるというのがこの「片足縛り」です。

 

私は2か月ほど左足のみでのプレーをしてみましたが、逆足でのプレー精度が格段に向上しました。

 

反対に利き足での精度が落ちてしまうのではないかと心配もしていましたが、全くそんなことはありませんでした。

 

気を付けてもらいたいのは、利き足を使ってプレーするよりもミスの回数が格段に増えるため、監督・コーチからの印象が良くないことです。

 

チャレンジを推奨してくれる指導者がいるチームであれば反対にプラスの印象を与えることもできるでしょうが、可能であれば苦手な足でのプレーにチャレンジすることを事前に伝えておけると良いでしょう。

 

もしそれが難しければ、利き足と逆足を0:100にするのでなく、どちらの足でもプレーできるものは必ず逆足でおこなうようにする程度でも、大きな効果が得られます

 

逆足での練習は何歳から始めればよいのか

ここまで逆足の練習方法についてご紹介してきましたが、その練習は何歳から始めればよいのでしょうか

 

人によってさまざまな考えを持っていると思いますが、よく知られている一つの科学的根拠を学んでおいて損はないでしょう。

 

それは、「スキャモンの発育曲線」とよばれるものです。

 

スキャモンの発育曲線

引用:国立スポーツ科学センター

リンパ型:扁桃やリンパ節などのリンパ組織の発達具合・免疫系の成長度を示す

神経型:脳・脊髄・視覚器などの神経系や感覚器系の成長度を示したもので、器用さ、リズム感に関わる

一般型:身長・体重・臓器などの発育具合を示し、身体的な成長度を表す

生殖型:男児の陰茎や睾丸、女児の卵巣や子宮などの発育具合を示す

 


 

この図からわかる通り、思い通りに身体を動かす為に必要な神経型は幼いころから急激に発達し、12歳の頃にはすでに大人と同じレベルに達します

 

そこから判断すると、「可能な限り早いうちから逆足の練習を始めた方が良い」という考え方が生まれます。

 

実際のところ、私が指導していたチームに年長の時点ですでに左右同等に蹴れる子がチームにいたことがあります

 

その子のお父さんにお伺いしたところ、左右平等に使うように(ボールが来た方の足でタッチするように)指導していたとのこと。

 

しかし、スペインの指導者ライセンスを取った時の講習で、スペインでは利き足で蹴れるようになってから「反対の足でも同じように蹴ってみよう」と指導すると教えられました。

 

「利き足でさえうまく蹴れないのに逆足まで求めたらサッカーをつまらなく感じてしまう」というのがその理由だそうです。

 

実際にこの方法を実行して、4年生の頃から逆足の練習を始めて卒業の頃には両足で遜色なく蹴れるようになっていた子も見てきています

 

どちらの説を採用するか難しいところではありますが、私は子どもの反応を見て決めればよいのではないかと考えています。

 

「反応を見る」というのは、「逆足を練習することにストレスを感じているかどうかを見る」ということです。

 

幼いうちから左右両足を使うことにストレスを感じないようであればそうすればよいですし、逆足を使ってプレーすることに大きなストレスを感じる子には本人が必要性を感じてから本格的な練習を始めるというのもアリだと思います。

 

より良いサッカー選手になるために逆足の練習は必要なのか?

ここまで逆足の練習方法を紹介してきてなんですが、そもそもより良いサッカー選手になるために逆足の練習は必要なのでしょうか?

 

歴代最高のプレーヤーとして紹介されることの多いマラドーナやメッシについて、私がスペインの指導者ライセンスを取った時の講師は「彼らも逆足が蹴れればもっとすごい選手だったと思う」と話していました。

 

一方で、「利き足を武器にできなければだめだ」「両足が低いレベルで同等に蹴れても意味がない」という考えが南米にはあるとも聞きました。

 

私は高いレベルでプレーするためには両足でプレーできることが必要だと考えているのですが、南米のような意見も否定するわけではありません。

 

指導現場でも、マラドーナやメッシが圧倒的な精度を持った利き足によるプレーを基本とするためか「逆足はそこまで必要ないのでは?」と感じている口ぶりの子どもも結構いたりします。

 

そこで指導者や保護者が「逆足も練習した方がいい!」という話をするのですが、私は子どもと大人では「逆足が蹴れないとはどういうことを指すのか」について認識が大きく違うのはないかという感覚を持っています。

 

プロの練習や試合前のウォーミングアップを見ると、ノープレッシャーであれば逆足でも正確にロングボールを蹴ったり速いボールをコントロールできたりします。

 

大人が思っている「逆足で蹴れない」というのは、「ノープレッシャーでは十分または最低限必要な技術が出せるが、相手のプレッシャーが強い場面やプレースピードが速い場面では精度が落ちてしまう」というレベルの事でしょう。

 

「利き足でのプレーさえ気を付けていればもう片方の足は問題ない」というような、簡単なボールコントロールすらままならないという意味ではないと思います。

 

子どもたちに「プロでも逆足で蹴れない選手がいる」というように話すと「苦手な方の足で簡単なキックもトラップもできなくてもプロになれる」などの誤解を与えてしまう可能性もあるので、「両足のプレーが必要or不要」の判断をするための前提の部分の伝え方には気をつけたいものです。

 

まとめ

この記事のまとめ

  • 両足キッカーになるための逆足の練習方法には次のようなものがある。

・タオルギャザー

・ビニール袋リフティング

・リフティングボールを使う

・スマホで撮影してもらって左右の違いを修正していく

・鏡で見て左右の違いを修正していく

・ゆっくりとキック動作をおこなう

・片足縛り

  • 逆足での練習は、科学的に見れば可能な限り早いうちから始めた方が良いように思えるが、それがストレスに感じるような子は利き足がある程度蹴れるようになってから始めればよい。
  • 「そもそも逆足でも蹴れるようになる必要はあるのか」という疑問に対し、スペインの指導者は必要であると考えているが、南米には利き足を武器にするべきという考えもある。
  • 利き足を伸ばすべきかそれとも逆足を改善すべきかを決める前に、「利き足で蹴れない」とはどのレベルのことを指すのかについて選手と指導者は考えをすり合わせる必要がある。

 


最後までお読みいただきありがとうございます。

 

両足キッカーは誰でも目指せます

 

逆足は練習次第で誰でも改善できます

 

両足を同等に扱えることは試合中の様々な場面で役立ちます

 

でも逆足を練習し始める頃は、たくさんたくさんミスが出ます

 

その時の指導者の態度で選手の成長の仕方が変わります

 

苦手な方の足を使って失敗したとき、結果を指摘するのでなくチャレンジしたことを褒めてあげてください

 

これが本当に重要です。

 

そうした前向きなチャレンジを推奨する環境や雰囲気を作り出せれば、あなたのチームには両足キッカーがたくさん生まれることでしょう。

 

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