この記事でわかること
- 「サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法」のおすすめポイント
- 「サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法」の注意ポイント
この記事では上記の疑問を解決していきます。
サッカー指導者としての範疇にとどまらず、教育者としての評価も高い池上正氏。
私がモットーとしている「自ら考え行動できる人間を育てる」という指導の第一人者です。
今回はそんな池上氏の記念すべき第一作目の著書をご紹介します。
長年指導に携わっている指導者でも、毎日様々なことで悩み、葛藤し、試行錯誤を続けているものです。
ベテランコーチですらそうなのですから、初心者コーチや指導経験の浅い指導者はなおさらです。
うまく指導ができるかどうかという以前に、
「何を目指して日々の指導に当たったらよいかわからない」
「子どもたちを人間的に成長させてあげたいが、どのように接したらよいかわからない」
となってしまうのはごく自然なことです。
そんな方におすすめなのがこの一冊。
ただひたすら勝利の追及や技術の向上のみを目指すのでなく、サッカーを「手段」として子どもたちを人間的に成長させるためのヒントがたくさん詰まっています。
新たな視点や考え方を得て、ぜひ次回からの指導に役立ててください。
もくじ
こんな指導者におすすめ!
こんな指導者におすすめ!
- まだ自身の指導方針が定まっていない方
- 選手を人間的に成長させる方法が分からない方
- 図らずも気分や感情に任せた指導になりがちな方
- 子どもたちの思考や行動について理解を深めたい方
- 親子関係をより良くしたいと考えている保護者の方
- 池上正氏の著書をとりあえず1冊読んでみたいと考えている方
おすすめポイント
1.誰にでもすぐに取り入れることができる指導法である
本のタイトルに「魔法」という言葉が入っていますが、おこなっている指導方法はいたってシンプルで、どんな指導者にも取り入れることができるものばかりです。
チームレベルにも左右されることなく導入可能なため、本を読んで「これは」と思ったものをすぐに試すことができます。
また、サッカー指導者にとどまらず、他のスポーツの指導者や教育関係者、子育てに悩む保護者の方など、多方面の方々に参考にしていただける内容となっています。
2.出てくる事例が「あるある」と思わせるものばかりである
試合会場で他チームの様子を見てみたり指導者と話をしたりすると、案外似たようなことで悩んでいることが多かったりします。
この本に出てくる事例はそのような「あるある」と思わせる事例が多く、実用的なものばかりです。
言ってみれば、「多くの指導者が悩んでいるにもかかわらず解決策を見つけられない」という事例に対する対処例が数多く載っているということですので、とても有益に感じることでしょう。
3.子どもたちも指導者も人間的に成長することができる
常に将来を見据え、問いかける指導・判断を求める指導をおこなうことで、子どもたちは人間としても選手としても大きく成長します。
そしてその効果は子どもたちにとどまらず、指導者にもおよびます。
サッカー指導におけるコーチとプレイヤーという結びつきだけでなく、家庭における親と子という関係性を向上させるうえでもこれらの指導方法は大いに役立ちます。
ポイントをおさえた指導を続けるうち、コミュニケーション能力の向上や物事に対する視点の増加など、様々な点で成長を実感できるようになるでしょう。
4.成功談だけでなく失敗談も書かれている
各方面から高い評価を得ている池上氏ですが、成功談だけでなく過去の失敗談にも隠すことなく触れています。
今のような考えに至る前にどのような失敗があったのか、当時どうすれば良かったのか・・・。
もし「今までこうやってきたから」という漠然とした理由で悪しき習慣を続けてしまったらどうなるのかを身をもって教えてくれています。
だからこそより一層、「こんな時はこうしたらいいんじゃないですか?」という話に説得力を感じることができます。
注意ポイント
1.練習メニューの記載がない
この本はサッカーを題材としつつも、「子どもを伸ばすために大人がどう接するべきなのか」という点に強くアプローチした内容となっているため、具体的な練習メニューは記載されていません。
より正しく言うと、「こんな状況の時にこんな練習をした」というような文章による練習メニューの紹介はありますが、図を使って紹介されていることはありません。
よって、そうした内容を期待されている方にとっては物足りなく思えるでしょう。
練習メニューの紹介がないことでより汎用性が高まっているため、この本を読む目的を考えるとむしろ好ましいことなのですが、「池上氏の考える練習メニューを知りたい!」という方には「池上正の子どもが伸びるサッカーの練習」という本がおすすめです。
2.図や挿絵がない
練習メニューだけでなく、この本は全体を通じて図や挿絵がありません。
本の内容的には図や挿絵がないことによるデメリットは感じませんが、
「図や挿絵がないとイメージがつかみづらい」
「文字だけの本は苦手」
という方の場合は読みづらさを感じてしまうかもしれません。
3.実践不可能な「理想論」と受け取られる可能性がある
この本は「11の魔法」というタイトル通り全11章で構成されています。
各章はすべて納得のいく内容で、「これらが改善されたらどれだけ子どもたちが成長できるのだろう」とこの上なく期待が高まります。
その一方で、あるべき指導の姿と現場の実態に大きな差があると、「こんなのはすべてただの理想論だ」と捉えてしまう方も出てくるかもしれません。
おすすめポイントの「1」でもご紹介しましたが、指導法自体はいたってシンプルなものばかりですので、最初から全部を改善するのは難しくても、できそうなものから少しずつ取り組んでいくと良いでしょう。
まとめ
この記事のまとめ
「サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法」のおすすめポイント:
- 誰にでもすぐに取り入れることができる指導法である
- 出てくる事例が「あるある」と思わせるものばかりである
- 子どもたちも指導者も人間的に成長することができる
- 成功談だけでなく失敗談も書かれている
「サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法」の注意ポイント:
- 練習メニューの記載がない
- 図や挿絵がない
- 実践不可能な「理想論」と受け取られる可能性があるサッカーの事例がない
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回ご紹介した「サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法」は、事あるごとに読み直すことで指導の原点に立ち返ることができる、私にとってのバイブルともいえる一冊です。
「子どもが言うことを聞いてくれない」
「選手のプレーにイライラしてしまう」
「もっと良いチームにしたいという考えはあるが、何をどう改善したらよいかわからない」
そのような状況に陥った時に手元に置いておけば、指導に行き詰った初心者コーチに様々な気付きを与えてくれ、慢心したベテラン指導者の背筋を正してくれる、大変心強い存在となってくれます。
この記事でこの本の魅力をすべてお伝えすることは難しいですが、少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。
>