キーファクター解説 フィニッシュ(個人戦術)

【キーファクター解説】「ラストパスに対するポジショニング」【フィニッシュ(個人戦術)】

この記事でわかること

  • ラストパスに対してどのようにポジショニングすべきなのか?
TETSUYA

この記事では上記の疑問を解決していきます。

ゴールを奪うためにはシュートの技術が欠かせませんが、それと同時に「シュートが打ちやすいポジショニング」を知ることも重要です。

ぜひこの記事を最後まで読んでポイントを理解し、指導に役立ててください!

 

「ラストパスに対するポジショニング」のポイント

ラストパスとシュート、2本の線によって生まれる角度が狭いほどシュートが打ちやすくなる

下の図をご覧ください。

9番と11番の各選手からゴールまでの距離はどちらも同じですが、2番の選手からのパスをシュートする場合、どちらの選手の方がシュートを打ちやすいでしょうか?

結論から言えば、11番の選手の方がシュートを打ちやすいです。

感覚的に理解できるという方もいると思いますし、実際に試してみても実感できると思いますが、その理由は何なのでしょうか?

それはズバリ、「ラストパスとシュート、2本の線によって生まれる角度が狭いほどシュートが打ちやすくなる」というものです。

※「角度が~」の理解が難しい年齢の子に説明する場合は、「どっちの方がとんがってる?」「どっちの方が痛そう?」というような説明でOKです。

なお、この記事ではサイドからのラストパスの事例をご紹介していますが、この理論はスルーパスなど縦関係のパスの場合も同様です。

確認のために、先ほどの図に線を書き足してみましょう。

9番と11番、それぞれの選手への「ラストパス」とパスを受けた後の「シュート」でできた計2本の線によって生まれた角度を比べてみると、9番の選手の赤線による角度よりも11番の選手の青線による角度の方が狭くなっていることが分かります。

そのため、このケースでいえば11番の選手の方がシュートを打ちやすいということができるのです。

 

遊びなどで自分に蹴られたボールをその人に向かって蹴り返したことがあると思いますが、その時はとてもスムーズにプレーできると思います。

また、ポストプレーからシュートを打つトレーニングをしたこともあると思いますが、こちらも同様でしょう。

なぜなら、これらはパスとシュートでできる2本の線の角度が非常に狭くなる(場合によっては0°に近くなる)のがこの時だからです。

下の図はポストプレーからのシュートをイメージしたものですが、ラストパスとシュートの2本の赤線でできた角度がとても狭いことがお分かりいただけると思います。

一方で、自分に来たボールをその延長線上に蹴るのはとても難しく、その時のパスとシュートでできる2本の線の角度は最大の180°に近づきます。

これらのことからわかる通り、「ラストパスとシュート、2本の線によって生まれる角度が狭いほどシュートが打ちやすくなる」というのはパスとシュートのボールの動きや方向がそれぞれ異なることが前提です。

シュートを打ちたい方向に向かってパスが動いていればパスとシュートでできる2本の線の角度が非常に広くなる(180°に近くなる)ため、シュートは打ちづらくなります。

 

この理論を理解できると、実際のプレーにおいて以下のように応用できます。

 

自分が11番の選手であった場合、同じ場所からシュートを打つのであれば青線の方にシュートを打つ方が赤線の方に打つよりも容易である。

自分が9番の選手であった場合、同じ場所から11番の選手にシュートを打たせるのであれば、可能であれば青線のパスを出せるところからパスを出した方が赤線のパスよりもより良い形でシュートを打たせることができる。

 

注意・補足

ここまでの話から、「それでは常にファーサイドで勝負すべきなのか」とお考えかもしれませんが、それは違います。

ニアサイド・ファーサイドでラストパスを受けることにはそれぞれメリットデメリットがあります。

 

ニアサイド:相手よりも先にボールに触れる確率が比較的高いが、シュートを決める難易度が比較的高い

ファーサイド:自分にボールが届く前に相手にボールをカットされてしまう確率が比較的高いが、ボールが届けば比較的シュートが打ちやすい

 

ただ、はじめにファーサイドにポジショニングしておいて相手が食いついてきたら空いているニアサイドに走りこむことはそれほど難しくありませんが、その逆をやろうとするとファーサイドに行くときにバックステップが必要になったり、自分とボールの動く方向が同じになったりするため、より求められるレベルが高いプレーとなります。

 

まとめ

この記事のまとめ

「ラストパスに対するポジショニング」のポイント:

ラストパスとシュート、2本の線によって生まれる角度が狭いほどシュートが打ちやすくなる。
※パスとシュートのボールの動きがそれぞれ異なることが前提。シュートを打ちたい方向に向かってパスが動いていればシュートは打ちづらくなる。

 


最後までお読みいただきありがとうございます。

 

プロの試合などではとても難しい角度からのシュートを決めているのを目にすることがありますが、まずはシュートを打ちやすいポジショニングとは何であるのかを理解し、可能な限りそうした状況でシュートを打つことから意識づけすべきだと考えています。

シュートがあまり入らないとキックの練習に大半の時間を割いてしまうチームもありますが、その内容を見てみると2者が向かい合ってのキックであったり、縦パスをコーチが落としてシュートを打たせたりと、最もキックをしやすい状況がセッティングされていることがとても多いです。

そうした光景を見ると、

「その状況は試合では起こらないんだよな・・・」

「なんでキックしやすいか選手に理解させれば、いろいろと応用が効くのにな・・・」

と感じます。

 

この記事の内容を頭に入れてラストパスに対するポジショニングを理解していただければ、必ずや決定力の向上につながると信じております。

ぜひお試しください!

 

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