この記事でわかること
- 「心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣」のおすすめポイント
- 「心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣」の注意ポイント
この記事では上記の疑問を解決していきます。
日常生活を送っていてもスポーツをしていても、人の気持ちはちょっとしたことですぐに変わってしまいます。
「気持ちを安定させ、常に高いパフォーマンスを発揮できるようにしたい」
そう願う多くの方々にとって、この書籍の著者である長谷部誠選手はまさにお手本と言える存在です。
常に冷静で的確な判断を下し、「クレバー」という表現がまさにピッタリなプレースタイルの長谷部選手の言葉の数々は、どのような環境に置かれている方にも多くの気づきを与えてくれます。
どのように指導現場で役立てられるのかというおすすめポイントだけでなく、購入前に知っておきたい注意ポイントも隠さずご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。
もくじ
こんな指導者におすすめ!
こんな指導者におすすめ!
- 指導をしているとつい感情が高ぶりすぎてしまう方
- 試合の勝敗や1つ1つのプレーに一喜一憂しすぎてしまう方
- プレーだけでなく人間性にも優れた選手に育てたい方
- 自分で気持ちをコントロールできる選手に育てたい方
- 常に安定してパフォーマンスを発揮できるチームや選手にしたいと願う方
- サッカーを離れた日常生活の質を上げたい方
おすすめポイント
1.長谷部選手自身が書いた本である
当初は乗り気でなかった長谷部選手が本の出版を決意した理由として、あとがきに以下の記載がありました。
自分の考えや思いが意図したことと違う形で報道されてしまうことがあり、違和感がありました。
-長谷部誠『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』(幻冬舎、2011年)-
第三者が外から見ていることから推測して「長谷部選手はこうやっているから見習ってみよう」と書いているのでなく、ご自身がその行動や意図について直接紹介しているので、より正確な内容が読者に伝わるようになっています。
2.エピソードが豊富である
タイトルに「56の習慣」とあるように、エピソードがとても豊富です。
サッカーに関することだけでなく日常生活や人間関係などバランスよく触れられており、エピソードの発生時期も幼い頃から執筆当時の話まで多岐にわたります。
そのおかげで、「こんな時はどう考えたらいい?」という読者の様々な疑問に答えやすくなっています。
3.各エピソードが短く読みやすい
全233ページの中に56のエピソードが詰め込まれているということから分かる通り、各エピソードがコンパクトにまとめられていて読みやすいです。
多くのエピソードが3~4ページでまとまっているため話が広がりすぎることなく、著者が伝えたいであろう事柄がスムーズに頭に入ってきます。
また、一度すべて読み終えた後でお気に入りのエピソードを読み返したいと思った時なども、時間をかけずに読み返すことができて便利です。
4.成功体験だけでなく失敗談も書かれている
自己啓発本は「こういうことをやってみよう」「ここを改善してみよう」ということを教えてくれるものが多いです。
それによって新たな知識が得られ読者が成長できるのですが、この本はそれに加えて「こんな失敗を経験した」「ここが反省点」ということも示してくれているため、ただの理想論でなくより実践的に役立てられる内容になっています。
5.著者に人間的魅力が感じられる
いくら本の内容が良く、書かれていることが正しくても、「だからお前はダメなんだ」「他の意見は聞かずここに書かれていることだけやっとけ」というような上から目線だと読む気も失せてしまいます。
反対に、「この人の言っていることだからとりあえずできることから試してみよう」というような魅力を著者から感じられるようであれば、少なからず読者の成長に繋がります。
その点長谷部選手はご自身のことを「これといった長所もなく未熟で弱い人間」と評されていて、あくまでも読者と同じ目線で物事を見て、感じて、考えて、伝えようとしていることが文章の中から伝わってきます。
われわれ一般人からすれば長谷部選手にはうらやむ部分が多々ありますがそれはいったん置いておいて、読後にはサッカー選手としてだけでなく一人の人間としての長谷部誠氏により魅力を感じるようになるのは確実です。
注意ポイント
1.すべてを取り入れるのは難しい
エピソードが豊富な分、すべてを取り入れることは難しいです。
自身に役立てられそうな内容が多い方には大変有益となりますが、そうでない方にとってはあまりメリットを感じられないかもしれません。
2.サッカー好きでない人には読みづらいところがある
著者の職業柄どうしてもサッカーの話題が多く出てきます。
選手・監督・コーチの名前をはじめチームやリーグ、大会名などは特に注意書きなどなくどんどん出てきますので、そういう点が苦手な方は読みづらさを感じてしまうことでしょう。
とはいえ、もし知らない単語が出てきても、「そんな選手がいるんだ」「そんなチームがあるんだ」程度で読み進めても全く問題はありません。
3.心理学的根拠などが示されていない
長谷部選手の体験談がまとめられた一冊であるため、具体的かつ説得力を感じさせる内容であることは間違いありません。
一方で、あくまで「個人の経験・感想」であるため、心理学的根拠などは示されていません。
専門的な学術書と比べて手に取りやすくエッセー集のような感覚で読めるのがメリットではありますが、きちんとした理論を身に着けたいという方には物足りないと思います。
まとめ
この記事のまとめ
「心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣」のおすすめポイント:
- 長谷部選手自身が書いた本である
- エピソードが豊富である
- 各エピソードが短く読みやすい
- 成功体験だけでなく失敗談も書かれている
- 著者に人間的魅力が感じられる
「心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣」の注意ポイント:
- すべてを取り入れるのは難しい
- サッカー好きでない人には読みづらいところがある
- 心理学的根拠などが示されていない
最後までお読みいただきありがとうございます。
上記の通り、サッカーの技術や戦術についての書籍ではありませんが、ご自身に役立てられるのはもちろん、子どもに対しても「プロのサッカー選手は、こんな時にはこんな風に考えているんだよ」と伝えることができ、指導力の向上につながる内容がたくさん詰まっています。
「スポーツは心・技・体が大切」とはよく言われますが、指導の現場では「心」の部分についての指導が後回しになってしまうことも多いのではないでしょうか。
その改善のために専門的に勉強できれば素晴らしいですが、「いきなりは難しい」となってしまう方にまずきっかけを与えてくれる役割をこの本は担ってくれます。
指導者の心が変われば選手の心も変わってきます。
そのためのヒントや具体的な方法がこの本にはたくさん書かれていますので、この記事を読んで興味を持っていただけたなら幸いです。